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関節リウマチ


はじめに

 関節の痛みに悩む方は数多くいらっしゃいます。その際に、「リウマチかも?」と頭をよぎる人もいるかと思います。関節が痛い時にどういう症状ならリウマチを疑うのか、またリウマチとはどういった病気なのかをお話します。

関節リウマチとは

 病気の種類によって痛みの出やすい関節は異なりますが、関節リウマチの多くは、手に特徴的な変化が見られます。関節リウマチでは、指先の第一関節は割と保たれており、手首や第二・第三関節が変形します。早期の場合は第二関節の腫れなどに注目します。これらの関節に徐々に痛みや腫れが出てくるため、急に痛くなるということはありません。複数の関節が腫れて痛み、進行すると変形してしまいます。左手だけ、右手だけというように片方だけが変形するということは少なく、両方に症状が出ます。
 他の関節痛では、朝はそんなに痛くなく、仕事や運動で動いた後に痛くなるというものがあります。しかし、関節リウマチでは朝のほうが痛みが強く、曲げたり伸ばしたりしにくくなるのが特徴です。この動かしにくさは30分から1時間以上持続します。

原因

 免疫の異常が原因です。免疫は、私たちの周りにいる様々な細菌やウイルスなど、身体に害があるものが入ってきたときに、体の中でそれが増えて具合が悪くならないように対処する働きをしています。これが関節内の滑膜(関節を覆っている膜)を悪いものだと誤認識して攻撃してしまうことで、関節に炎症が起こってしまいます。子供が発症することはほとんどなく、40歳以上の方に多く見られます。免疫の異常は生きている年数が長ければ長いほど蓄積されてしまうので、年齢と共に発症しやすくなってしまいます。
 関節以外の所にも病気が出ることがあります。体の中には滑膜に似た組織もいくつかあり、肺や腎臓などいろいろな所にリウマチと合併して病気が出ることがあります。

診断

 まず、診察で腫れている様子(どこが腫れているのか・何か所腫れているのかなど)を診ます。その後、レントゲン(骨の変形があるか)、血液検査(リウマチ因子・抗CCP抗体が出ているか、炎症反応があるか)、関節の超音波検査などを行います。それらの結果を総合して関節リウマチかどうかの診断結果を下します。

治療

 治療の目標は、①関節の痛みや腫れを減らす、②関節の変形を予防するということです。基本的には抗リウマチ薬による薬物治療で、大抵の方がこれで良くなります。ただし抗リウマチ薬の効果が不十分な場合には、生物学的製剤(遺伝子工学を利用して作られた薬)の注射を行います。生物学的製剤は保険を利用しても値段が高いため、極力抗リウマチ薬での治療を行います。ここ20年くらいで薬物治療の技術が非常に進歩して、関節リウマチでかなり変形が進行してしまうという人は少なくなっています。

リウマチ性多発筋痛症

 50歳以上の方に多く発症します。症状は、ある日急に首から両肩にかけて痛くなり、その痛みで寝がえりも打てなくなってしまいます。腰や太ももが痛くなる場合もあります。痛みであまり動けなくなるため、食事も減って「うつ」と思われることがあります。
 この病気には薬物治療(ステロイドホルモン)がかなり効果的です。症状があればリウマチ・膠原病内科を受診してください。治療を始めると1週間以内に普通に生活できるようになる方が多いです。

さいごに

 関節の痛みは、原因が一つだけでなく重なって起こっている場合もあります。ご心配の方やお困りの方は近所の先生(内科または整形外科)にご相談の上リウマチ・膠原病内科を受診されるようお勧めいたします。

Q&A

ばね指は関係がありますか?

ばね指は、指の腱の異常です。リウマチで手首の炎症が強い場合に、腱の通っている腱鞘に炎症が及ぶと腱の滑りが悪くなり、ばね指を併発することがあります。関節痛がなくばね指だけの場合は、リウマチではありません。整形外科を受診してください。

リウマチ性多発筋痛症の場合は、リウマチ因子はどのように出るの?

リウマチ性多発筋痛症の場合は炎症反応が高くなります。ただし血液の検査ではリウマチ因子・抗CCP抗体が出てきません。手や指よりも両肩が痛むということが特徴なので、そこでこの病気を疑います。