高校生のとき、脳出血で倒れた祖父のリハビリの様子を見ていました。そのとき、動けなかった人を手助けし改善させていく理学療法士という仕事を知り、憧れたのです。当院への入職は、急性期の総合病院で、さまざまな疾患、病態の患者さんと関われること、発症、受傷後間もない患者さんやご家族に寄り添って仕事ができることが決め手でした。

　現在は主に入院患者さんのリハビリを担当しています。当院はセラピストの病棟配置制を導入しているため、リハビリは病室や廊下などで評価、練習する場合が多いです。これは自宅に帰ったときの生活環境に近いため「実践」面で有効です。

　多くの患者さんは突然具合が悪くなったり、ケガをしたりして入院しています。不安な気持ちを抱えて、慣れない環境で生活することはストレスフルな毎日です。そんななかで私が日々大切にしているのは、患者さんと目標を共有し、やり方を一緒に考えて練習して、前向きな気持ちをもってもらえるよう工夫することです。

　ですから、身体機能やADLが向上した様子を間近で見たり、感じたりすることはもちろん、患者さんが笑顔になってくれるときが一番の喜びですね。退院時に「あなたに担当してもらって良かった」と涙して言っていただいたことも少なくありません。その後外来でお会いし、回復状況を話してくれる方も多く、励みになっています。

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