対象疾患
小児科・新生児内科
肺炎
症状
発熱、咳嗽、食欲低下など
検査
血液検査、胸部X線検査など
治療
肺炎は、ウイルス性や細菌性、マイコプラズマ肺炎などに分類されます。ウイルス性肺炎は対症療法(点滴や酸素投与、去痰剤の内服など)が中心になります。細菌性肺炎やマイコプラズマ肺炎は対症療法に加えて抗菌薬による治療を行います。
気管支喘息
症状
咳嗽、(呼気性)喘鳴、多呼吸、肩呼吸、呼吸困難など
検査
血液検査、アレルギー検査、胸部X線など
治療
喘息発作の予防として抗ロイコトリエン薬の内服やステロイドの吸入を行います。発作時には気管支拡張剤の吸入、ステロイドの内服や点滴、酸素投与など行います。
腸重積症
症状
間欠的腹痛(間欠的啼泣)、イチゴゼリー状の血便、腹部腫瘤、嘔吐など
検査
腹部X線、腹部エコー
治療
造影剤(バリウムやガストログラフイン)による高圧浣腸により入り込んだ腸管を元に戻していきます(非観血的整復)。時間が経過していたり、高圧浣腸では戻らなかった時には手術による整復になります(観血的整復)。
けいれん性疾患
熱性けいれん、けいれん重積、てんかんなど
症状
全身性けいれん発作、意識障害
検査
血液検査、頭部CT検査、頭部MRI検査、髄液検査、脳波検査など
治療
典型的な熱性けいれんでは、ダイアップ座薬を使用(使用しないこともあります。)しながら経過観察となります。けいれんの持続時間が長い(重積)、意識障害が続くなど典型的ではなく、脳炎・脳症が疑われる、または否定できないときには各種検査をして各疾患に応じて治療をしていきます。発熱のないけいれん時にも各種検査をしていきます。
ネフローゼ症候群・腎炎
症状
血尿、たんぱく尿、全身の浮腫、乏尿、高血圧など
検査
血液検査、尿検査、腹部エコー、胸腹部X線、腎生検など
治療
ネフローゼ症候群は、一般的にはステロイドによる治療を行います。再発を繰り返す場合やステロイドを使用しても改善がみられない時には免疫抑制剤など使用してきます。溶連菌感染後の急性糸球体腎炎は、乏尿や高血圧に対して利尿剤や降圧薬など使用します。慢性腎炎が疑われた際には、治療開始前に腎生検を行うこともあります。
感染症
肺炎、尿路感染症、髄膜炎など
症状
発熱、咳嗽、嘔吐、頭痛、項部硬直など原疾患に応じて
検査
血液検査、胸部X線検査、尿検査、髄液検査など
治療
ウイルス感染症は対症療法、細菌感染症はそれぞれの感染症の起炎菌を考慮して抗菌薬を使用していきます。
川崎病
症状
発熱、眼球結膜の充血、口唇の発赤、いちご舌、頚部リンパ節腫大、発疹、手足の腫脹や発赤、BCG接種部位の発赤など
検査
血液検査、心電図、胸部X線、頚部や心エコー検査など
治療
免疫グロブリン大量療法、アスピリンの内服をします。効果の乏しい時には高次医療機関に転院し生物学的製剤の使用や血漿交換を行います。
IgA血管炎
血管性紫斑病・Schonlein-Henoch紫斑病
症状
下肢を中心とした点状出血や紫斑、関節の腫張、嘔吐、腹痛など
検査
血液検査、尿検査、腹部X線や腹部エコーなど
治療
点状出血や紫斑は安静にして経過観察、関節腫張や関節痛は解熱鎮痛剤を使用します。腹痛があるときには入院となることが多く、ステロイドの点滴をしていきます。また紫斑病性腎炎を併発することがあるため、点状出血や紫斑が消失しても定期的な尿検査が必要になります。
血小板減少性紫斑病
特発性(免疫性)
症状
点状出血、鼻出血、口腔内出血など
検査
血液検査、骨髄検査など
治療
免疫グロブリンやステロイドを使用します。血小板数の増加がみられないときや乏しいときには、リツキシマブやトロンボポイエチン受容体作動薬など使用することもあります。
貧血
鉄欠乏性・自己免疫性溶血性など
症状
顔色不良、易疲労感、頭痛、めまい、黄疸など
検査
血液検査、骨髄検査など
治療
原因により治療が分かれます。乳児や思春期に多い鉄欠乏性貧血では鉄剤の投与を行います。自己免疫性溶血性貧血ではステロイド投与など行います。
白血病
症状
発熱、顔色不良、点状出血や紫斑、鼻出血、口腔内出血、骨痛など
検査
血液検査、骨髄検査など
治療
白血病は急性や慢性、リンパ性や骨髄性、その中でもさらに分類されます。化学療法が中心になりますが、治療期間は長期にわたり、造血幹細胞移植が必要となることもあります。